
気軽に暮らしの中へ 秋は“和”の花を楽しもう
残暑は続きますが、店頭には秋の植物たちが並びだす時期です。切花もガーデニングも、そろそろ秋の花を楽しみたいな、とそわそわしてきますよね。秋の花といえば、思い浮かぶのは何でしょうか?日本には『秋の七草』と呼ばれるものが存在します。女郎花(オミナエシ)・芒(ススキ)・桔梗(キキョウ)・撫子(ナデシコ)・藤袴(フジバカマ)・葛(クズ)・萩(ハギ)の7種類のことで、万葉集に収められた、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ和歌に登場したことが由来とされています。これらの植物は、秋のお彼岸から十五夜の時期が見頃となっており、秋を代表する草花となっています。『秋の七草』の他にも、ワレモコウやリンドウ、シュウメイギクなど、秋は日本に古くから存在する植物が多く見られます。洋花よりも少し控えめで、楚々とした雰囲気をまとう植物たちは、まさに日本古来の奥ゆかしさを代弁してくれるようです。
また、9月9日は『重陽(ちょうよう)の節句』といって、不老長寿や無病息災を願ってキクを飾る習慣が古くから存在します。日本でキクというと、どうしてもお供え物をイメージしてしまいますが、豪華な大輪品種や可愛らしいピンポンマムなど、種類が豊富で観賞価値の高い植物でもあります。大変花もちの良い植物でもありますので、秋の夜長にキクを愛でてみてはいかがでしょうか。
和のお花というと生け花のイメージがあって、飾るのって難しそう…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですがあまり難しく考えずに、花瓶にほんの1輪を飾るだけでも大丈夫です。洋花と組み合わせても、いつもと違った雰囲気が楽しめますよ。まだまだ気温の高いこの時期だからこそ、和のお花で秋の空気を感じてみませんか。